名古屋市・中村公園内に計画された「豊臣兄弟! 名古屋中村 大河ドラマ館」をはじめとする複合施設「豊臣ミュージアム」の建物です。本案件はプロポーザル方式(提案内容の審査により受注者を決定)によるもので、名古屋市へのプレゼンテーションに向けて計画地調査と図面等の提案資料を作成し、その審査を経て正式な実施計画が始まりました。計画地は公園内にあり、建築できる範囲が限られていたため、「展示棟」「事務所棟」「物販棟」の3棟に分け、事務所棟を2階建てにすることで必要な諸室を確保。周辺には障害物や幅員確保が必要な通路がありましたが、敷地詳細の測量は受注後でなければ実施できなかったため、各棟を構造上独立させた構成とすることで、受注後の測量結果や要求事項に応じて建物寸法を柔軟に調整できる計画としました。
【プランニング】
来館者が快適に施設を利用できるよう、ピロティから
風除室
「風除室」
風や外気が直接居室に流入しないよう、建物の玄関前などに設けられる小部屋です。more
、展示棟、物販棟へと自動ドアで連続的につなぎ、順路を明確化。さらに、物販棟から渡り廊下を介してピロティへ戻れる回遊動線とすることで、混雑を抑制し、スムーズに周遊できるよう配慮しています。類似施設の調査を踏まえ、公園内の人の流れや駅からのアクセス、トイレ位置・必要数、曜日ごとの来園者の変動まで多角的に分析し、その結果を配置計画およびゾーニング計画に反映しました。
「写真データ」(国土地理院) をもとに作成
【構造・意匠】
約450㎡のメイン展示室ではブレースを設けず、内部は4本の中柱のみで成立する架構を採用することで、展示物を自由に配置できる大空間を実現しました。各棟を構造的に独立させることで用途に応じた計画が可能となり、天井高については展示室4.5m、物販棟2.7m、事務所棟2.4mとそれぞれ用途に適した高さに設定しています。
外装は、公園景観に調和する無彩色の窯業系サイディングを基調とし、アクセントとして素材感を活かした建材であるKMEW「SOLIDO typeM_LAP 鉄黒」を採用。尾張名古屋が輩出した豊臣兄弟をはじめとした、数々の名だたる戦国武将の甲冑を連想させる鎧張りの意匠としています。また、物販棟とピロティを繋ぐ渡り廊下の鉄骨部分には、公園内に設置された豊臣秀吉生誕地のシンボルであるひょうたんと同じ金色を用いて塗装し、地域の象徴的な色を採り入れた印象的なアクセントとしました。